年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
彼の唇が再び重なり、指先が触れた瞬間から、思考はふわりと揺らいでいった。
初めて知る痛みも、戸惑いも、そしてそれを超えていく優しさ。
すべてが彼のもので、すべてが、私にとってうれしかった。
「望海、奏多って呼んで」
まともに思考が回らない中、私は夢中で彼の名前を呼ぶ。
「奏多……」
うれしそうに奏多は微笑んだ後、力強く私を抱きしめた。
卑怯だと言われようが、私はこの腕を離したくない。沙羅にも誰にも渡したくない。
「望海、好きだよ」
そんな都合のいい声が聞こえた気がしたが、そのまま私は意識を失うように眠りについた。