年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
「使われるんですよね? 申し訳ありませんでした」
できるだけ冷静にそう伝え、頭を下げてその場を離れたものの、先ほどの征爾兄さまの態度がどうしても理解できない。どうして兄さまはあんなことを言い出したのだろう。
昔から私のことを気にかけてくれていたが、今まであそこまで強い口調で干渉されたことはなかった。それなのに――。
時計を見ると、休憩時間はすでに終わりかけていた。昼食をとる間もなく、私はそのまま仕事へと戻る。
このことを奏多君に話すべきだろうか。けれど、なにをどう話せばいいのか、自分でもよくわからなかった。
その日の夕食。私は無意識のうちにぼんやりとしていたのだろう。気づくと、奏多君が心配そうに私の額に手を当てていた。