年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない


だかこそ、望海に対して、きちんと気持ちを伝えるためにも、はっきりとプロポーズをしてたい。
しかし、少し不安な気持ちもあった。愛し合うようになり、俺はいつも気持ちを伝えてはいるが、望海はいつも微笑むだけだ。もちろん俺と同じだけの気持ちを、今すぐ返してもらえるなんて思っていないが、俺のことをどう思っているのか……。

もしかしたら指輪は急ぎすぎなのかもしれないが、さっき見たときにこの指輪だと思ってしまった。
望海が俺のことをどう思っていたとしても、俺はもう彼女と離れることなど考えられない。

望海のサイズを伝え、日本に送ってもらえるように手配をすると俺は店を出た。

「鷹野!」
ホテル近くで呼ばれたその声に目を向けると、同じフライトに乗っていた顧客乗務員の同僚の水沢だった。今では男性も多く活躍するポジションで、同期入社の水沢とはフライト先でよく一緒に食事をする中だ。

「このあたりで、軽く食べていかないか?」
指輪の手配も済ませたし、フライトまではまだ時間がある。せっかくのパリ滞在、ルームサービスで済ませるのも味気ない。

「いいな、水沢は明日の夜便で成田か?」
そんな会話をしつつ、俺たちは夜の街へと向かった。
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