年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
その後の対応は、私は少しの時間で済んだが、奏多くんはそうはいかない。今日は帰ってこれないだろう。
家に着いた私は、ぺたんとソファではなく床に座り込んだ。
長い一日だった。いろいろなことがありすぎて、何倍もの時間を過ごした気がする。でも、何より奏多くんが無事でよかった。
そう思った瞬間、とめどなく涙があふれてきて、自分でも驚いてしまう。泣くつもりなどないのに、止めることができない。
ただぼんやりと、静かに涙を流しつつ、その場に座り込んでいたときだった。
「望海!!」
リビングのドアが開き、勢いよく奏多くんが部屋へと入ってきた。座り込んで泣いている私を見て、一瞬、奏多くんも泣きそうな表情を浮かべる。
私のもとへと駆け寄ると、ギュッと抱きしめた。
「大丈夫だから。不安にさせてごめん」
そう言われた瞬間、私は怖かったことに気づいた。冷静に仕事を進めなければいけない、私には責任がある、そう自分に言い聞かせていたが、本当は奏多くんのことだけを心配して、案じて、すぐに彼のそばに行きたかった。