年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
「でも、こんなことになったのも、全部私に自信がなかったからなのもわかってる」
少し冷静になってそう伝えると、奏多くんが少し距離をとり、私を優しく見つめてくれた。
「望海は誰よりも素敵な人だ。きれいで仕事もできて、それに、俺のことを甘やかせてくれるただ一人の人だ。代わりなんて誰にもなれない」
今は奏多くんの言葉がスッと心に入ってくる。
「望海がわかってくれるまで、俺は何度でも言うよ。望海だから結婚をした。望海のことが誰より好きだよ」
頬を包み込み、私の涙を指でそっとぬぐいながら、奏多くんは私に微笑んだ。
「本当?」
「ああ、たぶん研修の時からずっと好きだよ」
その予想外の言葉に、私は一瞬涙が止まり奏多くんを見据えた。
「”機長になったら”そう言って俺の誘いを断ったの、忘れてただろ?」
そんなことがあっただろうか、あの時、私はたぶん自身もなく、彼のただの戯言だと思ったのかもしれない。
「でも、いいんだ。あの時、望海が厳しくしてくれたから、断ってくれたから俺はここまでこれた」
その言葉に泣き笑いの表情で、私はその言葉に何度も頷いた。
ずっと、奏多君は私に愛を伝えてくれていたのに、私が信じることができなかっただけーー。
だから、今度は私の番だ。