年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない


それから数か月は事故調査委員会などが立ち上げられ、慌ただしい日々が続いていた。私たちの会社も、父の対応が大きな問題となっている。退任になる日は近いだろう。

今日は記者会見が行われる。私は奏多くんの実家で、お義母様と一緒にその様子をテレビ画面で見ていた。
たくさんの報道陣の前で、淀みなく話すお父様。このポジションに、将来奏多くんもなるのだろうか。

「着陸進入中に鳥が機体に衝突し、格納扉が変形。その影響で右側のランディングギアが展開できず、最終的に胴体着陸を余儀なくされました」

お父様の説明により、人為的なミスではないことが発表された。そして、機長である奏多くんの対応も素晴らしいものだと報道されている。

「みんな立派ね」
お義母様がにっこりと笑い、そう締めくくる。毎日気を張り続ける中で、お義父様も奏多くんも、この朗らかなお義母様がいることで、どれだけ救われる日があったのかわからない。

「私も、お義母様みたいになりたいです」
画面の中にいる奏多くんを見つつ、そう笑顔で言うと、お義母様は少し考えた後、口を開いた。
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