年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない


「望海ちゃんは、望海ちゃんでいいのよ。奏多は、仕事をがんばる望海ちゃんも、おうちにいる望海ちゃんも、すべて含めて一緒にいると思うの。私になるんじゃなくて、そのままでいいのよ」

そのままでいい。私のままでいい? 考えたこともなかった言葉が、心の中にしみこんでいく。私は私らしくいていい。もしもこれから先、役に立てないことがあったとしても、誰かの力を借りて進めばいい。今は心からそう思う。

「はい」
笑顔でそう答えると、お義母様は家政婦さんに声をかけた。

「今日はお疲れ会をしなきゃね。あの人と、奏多と、そして望海ちゃんの好きなもの、たくさん用意してね」
「かしこまりました。張り切りますね」

「私、手伝います」
そんなことを言いながら、私たちは笑い合った。

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