年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない


「それ、その顔」
言っている意味がまったくわからなくて、私はきょとんとしてしまう。

「昔から望海は人気があるのに、最近は色気まで出ちゃって、俺の方が心配」
「色気? 人気?」
誰のことを言っているのかわからない単語に、私は少し驚いて繰り返した。

「母さんと選んだこのドレスだって、首筋もきれいな腕も、全部隠せばよかったのに」
なぜか最後は文句のように言う奏多くん。これは心配とやきもちなのかもしれない。うれしくなり、にこにこしていると、奏多くんが小さく息を吐いた。

「望海はきれいなの。人気もあるの。認識しておいて」
昔なら、その言葉は信じられなかったと思う。でも、今はその言葉を自信に変えてもいいのかもしれないと思える。

「わかった。でも奏多くんもだからね」
茶目っ気たっぷりに言うと、奏多くんは返事の代わりに首筋に口づけた。

「唇はリップが落ちるって怒られるだろうしな」
「もう」

触れたところが熱を持ちそうで、そこに手を当ててお互い額をつけて笑い合う。
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