年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
「違うの。そういう意味じゃなくて……私なんかより、ふさわしい人がいると思う。父はこの結婚を自分のために利用しようとしているだけで、鷹野君にはなんのメリットもないし……」
そう。父はいつだって、自分の立場と利益のことしか考えていない。きっと、彼ほどの人ならば、そんな思惑なんてとうに見抜いているはずだ。
「それに、今は仕事に集中したい時期でしょ。見合いなんかで時間を取られるのって、鷹野君にとっては本意じゃないと思うし」
そう言った私に、彼はグラスを日本酒に持ち替えながら、不意に問いかけてきた。
「どうして、俺が〝仕事に集中したい〟って思ってるってわかったんですか?」
「え? どうしてって……」
戸惑いつつも、私はすぐに言葉を継いだ。
「最年少で機長になるなんて、並大抵の努力じゃないでしょ。それに、入社してきたときから誰よりも真面目で、一生懸命だったって私は知ってる」