年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
「ねえ、機長どこ行ったの~?」
酔いが回っているのだろう、語尾が伸びている。
「こっちに来るな……。女将さん、お会計お願いできますか?」
「はいはい」
女将さんがにこやかに応じると、鷹野君はさらりと私の分も一緒に支払いをしてしまった。
「え? 私の分は自分で払うよ」
「それはいいから、帰りましょう」
「え? ちょっと、鷹野君!」
私の抗議を無視し、彼は当たり前のように私の手を取り、そのまま出口へと急ぐ。
「またね、望海ちゃん」
女将さんが手を振るのが見えたが、訳がわからないまま私は鷹野君に連れられて店をあとにした。
「ねえ、帰ってきちゃってよかったの? 探してたよ」
後ろから聞こえてきた声は、彼を呼んでいた。