年下敏腕パイロットは想い焦がれた政略妻をこの手で愛して離さない
中央には、一枚板で作られた見事な座卓が鎮座し、その上には美しく磨かれた箸置きや上品な器が整然と並んでいる。

部屋の片隅にある床の間には、掛け軸と季節を感じさせる花が飾られ、静かな趣を添えていた。
ふと視線を向けると、窓の外には日本庭園が広がっている。松や竹、梅が風に揺れ、完璧に手入れされた景色は、まるで一幅の絵画のようで、都会の高層ホテルにいることを忘れそうになる。

しかし、座卓の向こうに、すでに鷹野君のご両親が座っているのを見て、私は慌てて着席をした。
「奏多、ご一緒だったのね」

控えめに俯いている私の母とは対照的に、鷹野君のお母さまが最初に声をかけてくれた。会社のパーティーで遠くからお姿を拝見したことはあったが、こうして直接お話をするのは初めてだった。

一方で、その隣に座る鷹野君のお父様は、いかにも完璧な経営者といった風格を漂わせていた。グループのトップであることを体現するような、圧倒的なカリスマ性を持っていた。

父とは比べ物にならない。――こういう人が、企業を引っ張っていくのだろう。自然にそう思わされた。
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