魔法のマーメイドクラブ

3、極秘魔法クラブ

 くもりのち雨。今日は天気が悪いから、水泳の授業はない。
 出欠カードにはバツ印がついているから、どのみちプールに入るつもりはなかった。
 朝は本当にお腹が痛かったの。仮病じゃ……ない。

「ミイちゃーん! いっしょにあーそぼ♪」

 給食を食べ終わった昼休み。一人で廊下を歩いていたら、後ろからアクアちゃんが飛びついてきた。
 びっくりして、心臓が止まりそうになる。

「え、えっと、図書室へ行こうかと」

 お昼の時間は、ほとんど図書室で過ごしている。本が特別好きなわけじゃないけど、教室にいるより気がまぎれるから。
 うーんと考えるようなポーズをして、アクアちゃんは「わかった!」とひらめいた顔をした。

「こっちこっち!」

 手を引っぱられて、図書室とは反対方向へ歩き出す。
 どこへ行くの?
 とつぜんのことで、ついていくしかない。
 アクアちゃんってマイペースで、予想がつかなくて、楽しい。
 こんなに胸がワクワクはずむのは、初めて。アクアちゃんといるときだけ。
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