キスはボルドーに染めて
陽菜美はひょろっと伸びた幹を撫でると、小さく肩をすくめた。
「これ、蒼生さんのマンションから持ってきたんです。種から芽が出たみたいなんですけど、まだ何の植物かわからなくて。春には葉が開くだろうって、蒼生さんと二人で楽しみにしてます」
陽菜美はそう言うと、鉢植えを再び窓際にそっと置く。
純玲はそんな陽菜美の様子をじっと見つめていたが、ついと顔を背けると、結翔と一緒にソファに腰かけた。
急に口を閉ざす純玲に、陽菜美は小さく目を泳がせる。
――もしかして、何かいけないことを言っちゃった……?
陽菜美が不安になって顔を上げた時、目の前で純玲がふんと息をついた。
「へぇ、あなたもその鉢植えも、随分と大切にされてるのね。羨ましいこと」
純玲はさっきまでの雰囲気が嘘のように、感情のこもらない声を出す。
あまりに冷たいその態度に、陽菜美の背筋に寒気が襲った。
「ママ?」
すると結翔も母親の変化に気がついたのか、眉を下げて不安げな顔を上げている。
「これ、蒼生さんのマンションから持ってきたんです。種から芽が出たみたいなんですけど、まだ何の植物かわからなくて。春には葉が開くだろうって、蒼生さんと二人で楽しみにしてます」
陽菜美はそう言うと、鉢植えを再び窓際にそっと置く。
純玲はそんな陽菜美の様子をじっと見つめていたが、ついと顔を背けると、結翔と一緒にソファに腰かけた。
急に口を閉ざす純玲に、陽菜美は小さく目を泳がせる。
――もしかして、何かいけないことを言っちゃった……?
陽菜美が不安になって顔を上げた時、目の前で純玲がふんと息をついた。
「へぇ、あなたもその鉢植えも、随分と大切にされてるのね。羨ましいこと」
純玲はさっきまでの雰囲気が嘘のように、感情のこもらない声を出す。
あまりに冷たいその態度に、陽菜美の背筋に寒気が襲った。
「ママ?」
すると結翔も母親の変化に気がついたのか、眉を下げて不安げな顔を上げている。