キスはボルドーに染めて
「どういう……ことですか?」
蒼生は顔を上げると、目の前で大きなアーム付きの椅子に座る父親の顔を見つめた。
久しぶりにやって来たOTOWAホールディングスの社長室は、今は秘書もおらず、険しい顔をした父親だけが座っている。
父親は眼鏡を外すと、目元を押さえながら、はぁと大きくため息をついた。
「今言った通りだ。お前には、来週からこっちに戻ってもらう。社長室付として、特別な業務にあたってもらうつもりだ」
「ちょっと待ってください!」
蒼生は声を上げると、父親のデスクに詰め寄る。
「あまりにも急すぎます。今は新規企画が進行しだしたばかりです。突然私が抜けることはできません」
「それでもだ!」
父親は険しい顔を上げ、蒼生を睨みつけた。
しばし沈黙が流れ、蒼生は一旦息を整えるとゆっくりと口を開く。
「理由を教えてください。三年前、私にここを出て行けと言ったのはお父さんです」
蒼生の声に、父親は深く息をつくと、豪勢な椅子にドカッと背中をあずけた。
「あぁそうだ。お前がここを出て行けば、それですべてが片付くはずだった」
「……はずだった?」
父親はデスクの上に置いてあったスマートフォンを手にすると、画面をタップして操作する。
蒼生は顔を上げると、目の前で大きなアーム付きの椅子に座る父親の顔を見つめた。
久しぶりにやって来たOTOWAホールディングスの社長室は、今は秘書もおらず、険しい顔をした父親だけが座っている。
父親は眼鏡を外すと、目元を押さえながら、はぁと大きくため息をついた。
「今言った通りだ。お前には、来週からこっちに戻ってもらう。社長室付として、特別な業務にあたってもらうつもりだ」
「ちょっと待ってください!」
蒼生は声を上げると、父親のデスクに詰め寄る。
「あまりにも急すぎます。今は新規企画が進行しだしたばかりです。突然私が抜けることはできません」
「それでもだ!」
父親は険しい顔を上げ、蒼生を睨みつけた。
しばし沈黙が流れ、蒼生は一旦息を整えるとゆっくりと口を開く。
「理由を教えてください。三年前、私にここを出て行けと言ったのはお父さんです」
蒼生の声に、父親は深く息をつくと、豪勢な椅子にドカッと背中をあずけた。
「あぁそうだ。お前がここを出て行けば、それですべてが片付くはずだった」
「……はずだった?」
父親はデスクの上に置いてあったスマートフォンを手にすると、画面をタップして操作する。