キスはボルドーに染めて
そして蒼生のOTOWAホールディングスへの異動の話も、今は完全に立ち消えになっている。
そもそも美智世がその話を聞いた時、酷く憤慨したことも、話がなくなった理由の一つだ。
「蒼生さんを取られるなんて、OTOWineにとって計り知れないほどの損失よ!」
あんなに蒼生を嫌っていた美智世とは思えない発言に、陽菜美は思わず呆気に取られたのを覚えている。
陽菜美がぼんやりと、そんなことを思い出していた時、壁にかかった時計を見た杉橋が「あっ!」と大きな声を上げた。
「飛行機の時間って何時!? そろそろ行かないとまずいんじゃない!?」
その声に顔を上げた陽菜美と蒼生は、慌てて立ち上がる。
「洸平、後の事は任せた! 何かあれば携帯に連絡してくれ」
「了解!」
蒼生はジャケットを羽織ると、陽菜美と自分用のスーツケースを手に顔を向けた。
「じゃあ、陽菜美。出発するか」
「はい!」
陽菜美は蒼生に続いて、バタバタと入り口の扉に向かう。
そこで「あっ!」と何かを思い出すように立ち止まった。
そもそも美智世がその話を聞いた時、酷く憤慨したことも、話がなくなった理由の一つだ。
「蒼生さんを取られるなんて、OTOWineにとって計り知れないほどの損失よ!」
あんなに蒼生を嫌っていた美智世とは思えない発言に、陽菜美は思わず呆気に取られたのを覚えている。
陽菜美がぼんやりと、そんなことを思い出していた時、壁にかかった時計を見た杉橋が「あっ!」と大きな声を上げた。
「飛行機の時間って何時!? そろそろ行かないとまずいんじゃない!?」
その声に顔を上げた陽菜美と蒼生は、慌てて立ち上がる。
「洸平、後の事は任せた! 何かあれば携帯に連絡してくれ」
「了解!」
蒼生はジャケットを羽織ると、陽菜美と自分用のスーツケースを手に顔を向けた。
「じゃあ、陽菜美。出発するか」
「はい!」
陽菜美は蒼生に続いて、バタバタと入り口の扉に向かう。
そこで「あっ!」と何かを思い出すように立ち止まった。