キスはボルドーに染めて
すると女性社員の間をかき分けるように、小柄な課長が姿を現した。
「音羽さん。こちらがオペレータールームです。終業後なので、御社の担当オペレーターは、すでに退勤しておりまして……」
課長はキョロキョロと辺りを見まわすと、陽菜美の側に立つ貴志の姿を見つけたのか、片手を大きく上げた。
「松岡君! 音羽さんが、オペレータールームを見学されたいそうなんだ。案内してくれないか!」
課長の声に貴志はピンと背筋を伸ばすと、慌ててそちらへ駆けて行こうとする。
すると「いや、そのままで」という低い声が聞こえた。
陽菜美はまっすぐに、自分の元へと歩いてくる姿を見つめる。
まぎれもなくこの人は、陽菜美がボルドーの丘で出会い、前を向くきっかけをくれた人。
「どうして……?」
陽菜美は信じられずに、小さく口を開く。
蒼生は陽菜美の前まで来ると、優しくほほ笑んだ。
「あぁ、音羽さん。ちょうど良かったです。彼女が先ほど報告したクレームを対応した、オペレーターの結城さんです」
興奮した様子の課長が、脇から顔を覗かせる。
「音羽さん。こちらがオペレータールームです。終業後なので、御社の担当オペレーターは、すでに退勤しておりまして……」
課長はキョロキョロと辺りを見まわすと、陽菜美の側に立つ貴志の姿を見つけたのか、片手を大きく上げた。
「松岡君! 音羽さんが、オペレータールームを見学されたいそうなんだ。案内してくれないか!」
課長の声に貴志はピンと背筋を伸ばすと、慌ててそちらへ駆けて行こうとする。
すると「いや、そのままで」という低い声が聞こえた。
陽菜美はまっすぐに、自分の元へと歩いてくる姿を見つめる。
まぎれもなくこの人は、陽菜美がボルドーの丘で出会い、前を向くきっかけをくれた人。
「どうして……?」
陽菜美は信じられずに、小さく口を開く。
蒼生は陽菜美の前まで来ると、優しくほほ笑んだ。
「あぁ、音羽さん。ちょうど良かったです。彼女が先ほど報告したクレームを対応した、オペレーターの結城さんです」
興奮した様子の課長が、脇から顔を覗かせる。