キスはボルドーに染めて
二人だけの室内はシーンとして、空調機の音だけが聞こえている。
しばらくして、蒼生はコーヒーカップを机に置くと、ゆっくりと陽菜美に目を向けた。
「どうも痺れを切らした上層部が、自分たちを納得させられる新規の企画を出さなければ、俺をクビにすると言いだしているらしい」
「クビ!?」
陽菜美は三度目の叫び声を上げる。
「そうだ、クビだ」
蒼生は自分の首にちょんちょんと手を当てると、わざとらしく神妙な顔つきをした。
経営者の親族なのに、クビになるとは余程のことがない限りあり得ないだろう。
――本当なの……!?
陽菜美は話の真偽がわからずに、戸惑ったように目を動かした。
すると蒼生が再び顔を寄せる。
「だから君に、俺の仕事を手伝って欲しいって訳だ。なんせ、俺のクビがかかってるからな」
そう言いながらも、あははと笑う蒼生に、陽菜美は慌てて机に両手をつくと大きく身を乗り出した。
「ちょ、ちょっと待ってください。私、ただのワインが好きな人ってだけですよ? 蒼生さんのクビがかかっている、しかも新規の企画だなんて……」
「良いんだよ。君のはちゃめちゃで、無計画で無謀な性格もプラスすれば、上層部をうならせる企画が出せそうだ」
「はい!?」
しばらくして、蒼生はコーヒーカップを机に置くと、ゆっくりと陽菜美に目を向けた。
「どうも痺れを切らした上層部が、自分たちを納得させられる新規の企画を出さなければ、俺をクビにすると言いだしているらしい」
「クビ!?」
陽菜美は三度目の叫び声を上げる。
「そうだ、クビだ」
蒼生は自分の首にちょんちょんと手を当てると、わざとらしく神妙な顔つきをした。
経営者の親族なのに、クビになるとは余程のことがない限りあり得ないだろう。
――本当なの……!?
陽菜美は話の真偽がわからずに、戸惑ったように目を動かした。
すると蒼生が再び顔を寄せる。
「だから君に、俺の仕事を手伝って欲しいって訳だ。なんせ、俺のクビがかかってるからな」
そう言いながらも、あははと笑う蒼生に、陽菜美は慌てて机に両手をつくと大きく身を乗り出した。
「ちょ、ちょっと待ってください。私、ただのワインが好きな人ってだけですよ? 蒼生さんのクビがかかっている、しかも新規の企画だなんて……」
「良いんだよ。君のはちゃめちゃで、無計画で無謀な性格もプラスすれば、上層部をうならせる企画が出せそうだ」
「はい!?」