キスはボルドーに染めて
そして、同じように驚いた顔をする受付で名を名のり、担当者に繋いでもらった蒼生は、案内するという女性の申し出を丁寧に断り、一人で商談室へと向かった。
「蒼生さん、お待たせしてすみません」
しばらくして現れたのは田中という男性だ。
田中は音羽商事でボルドーのシャトーをメインに担当する営業部の社員で、蒼生が親会社にいた時からの付き合いだった。
「早速ですが、頼まれていた資料です。課長の許可は取ってますので、安心してください」
差し出された資料を確認した蒼生は、田中に向き直ると深々と頭を下げる。
「急に依頼したのに、ここまで集めてくれるとは。手間をかけさせてしまったな」
すると田中は腰を浮かせながら大きく両手を振った。
「いえいえ、気にしないでください。また蒼生さんと仕事がしたいと思ってたんですよ」
田中はそう言うと、照れたように頭に手をやる。
「お世辞でも、そう言ってもらえると嬉しいな」
するとにっこりとほほ笑んだ蒼生に、田中は「お世辞なんかじゃありません!」と急に立ち上がった。
「蒼生さん、お待たせしてすみません」
しばらくして現れたのは田中という男性だ。
田中は音羽商事でボルドーのシャトーをメインに担当する営業部の社員で、蒼生が親会社にいた時からの付き合いだった。
「早速ですが、頼まれていた資料です。課長の許可は取ってますので、安心してください」
差し出された資料を確認した蒼生は、田中に向き直ると深々と頭を下げる。
「急に依頼したのに、ここまで集めてくれるとは。手間をかけさせてしまったな」
すると田中は腰を浮かせながら大きく両手を振った。
「いえいえ、気にしないでください。また蒼生さんと仕事がしたいと思ってたんですよ」
田中はそう言うと、照れたように頭に手をやる。
「お世辞でも、そう言ってもらえると嬉しいな」
するとにっこりとほほ笑んだ蒼生に、田中は「お世辞なんかじゃありません!」と急に立ち上がった。