もう一人の私に出会った夏
地震が来た時、五十嵐一家は、一階でテレビを見ていた。

「大きいぞ!テーブルの下に隠れろ!」

父は母と幸太、純太をテーブルの下に押し込んだ。

「宗ちゃん!」

「俺は大丈夫だから!」

父は側にある座布団で、とりあえず頭を隠した。


「怖いよ~」

純太は母の側に寄った。

「大丈夫だからね。」

母は純太を抱き寄せた。


本当に大きい地震だった。

しばらく揺れは続いた。

1分ちょっと揺れただろうか


一度、地震はおさまった。

母はそっと頭を出してみた。

「宗ちゃん。」

「ちい、大丈夫か?」

「うん。ホント大きかったね。」

「今日は、これで二回目だぞ。」

一度目は車の中だった。


母はテーブルの下から、出ようとした。

「あ、まだ隠れてろ。」

「え?」

父が、母の頭を押した。

「また来るかもしれないから。」

「うん。」

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