もう一人の私に出会った夏
純太はそうつぶやくと、また家に向かって走りだした。


しばらくして純太が家の中に入ると、母が台所で夕食を作っていた。

「千歳~。夕食の準備、手伝ってちょうだ~い。」

一階から母の声がした。

「は~い。」

千歳は起き上がって、階段を降りた。


「ママ、今日のご飯何?」

「今日はね、千歳が好きなハンバーグよ。」

「やったあ!」

千早は、両腕を挙げて喜んだ。

「はい、手洗って。」

「は~い。」

千歳は手を洗って、母が皮を剥いた玉ねぎを、切り始めた。

「これでいい?」

「うんうん。上出来。」

楽しそうに、玉ねぎを切る千歳を見て、母はとりあえず安心した。


「いい匂いがしてきたな。」

父が台所へ来た。

千歳はもうハンバーグを焼いていた。

「もう、パパはあっちで待ってて。」

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