スターリーキューピッド
近い近い。そんなに迫らなくても大丈夫だから。変な噂立っちゃうから、一旦離れて。

両肩を掴んでガン見する彼に「心配してくれてありがとう」とお礼を言ってなだめる。


「ところで友清くんは、夏休み、どこか行く予定とかあるの?」

「県外の別荘に行く予定だよ。毎年夏と年末年始はみんなで泊まって、故郷に思いを馳せながら星空を眺めてるんだ♪」


相当楽しみなんだろう、語尾が弾んでいる。

県外の別荘で、泊まり込みで星空観察。なんとも贅沢な夏休みの過ごし方。

だからあんなオシャレな車持ってたり、毎月爆買いできたりするのか……。


「四居さんは? また帰省するの?」

「うん。前回はお母さんの実家だったから、今回はお父さんの実家に……」

「整二っ」


返答していたら、明吾が駆け寄ってきた。


「お前、三者面談の紙って出してる?」

「あー、まだ。先週までだったっけ。ごめん」

「いいよいいよ。先生から確認してきてくれって頼まれただけだから。紙はある?」

「うん。希望日は記入済みだから、明日持ってくるよ」
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