スターリーキューピッド
過去を繰り返さないため、お互いを守るため、だったんだな。ようやく腑に落ちた。

本人の口からハッキリと聞いてないから、現時点では明吾の片想いとしか断言できないけど……。

今までの四居さんの様子を見る限り、きっと彼女も──。


「ただいまー。あ、帰ってたんだ」

「おかえり。買い物行ってたの?」

「うん。アイス買ってきたけど、食べる?」

「食べる!」


即答して立ち上がり、リビングに入ってきた木星の化身──ヒロミさんから棒アイスを受け取った。

やっぱり夏はひんやりしたものが恋しくなるよな。


「あ、そうだ。お釣りお釣り」


アイスを開ける前に、財布を開け、レシートと小銭を渡した。


「お恵みありがとうございました」

「はい、確かに。へぇ、土曜はハンバーグとからあげなんだ」

「うん。俺は足りたけど、明吾はお腹スカスカだったみたいで、追加でどんぶり注文してた」

「おお〜。食いっぷりがいいね〜」
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