スターリーキューピッド
自分が彼らを呼び出したせいで、四居さんが孤立してしまったと自責していた明吾。

事情聴取の際、先生には伝えたらしいが、呼び出したことに関して四居さんからは何も言及されず……。

そのため、きちんと伝達できていなかったのではないか、と。


相当引きずっている様子だったから、『きちんと話したほうがいい』と答えたけれど……。

四居さんの立場になって考えてみたら、あの回答は浅はかだった。

声を張り上げて主張するほど、それだけ深く心に傷を負っていたということ。

つまり、伝えると、その辛い記憶をよみがえらせてしまう。

かといって、このまま黙っておくのも、明吾が辛い思いをすることになるし……。


「整二も、地球での生活が板についてきたねぇ」


肩をトントンと優しく叩かれて顔を上げると、ヒロミさんが穏やかな眼差しで俺を見ていた。


「この星では、人の数だけ、色んな考えや価値観がある。例えば、正しいか正しくないか、良いか悪いか」

「……強調しすぎだよ」

「はははっ。でも、正解なんて人それぞれだからね」
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