スターリーキューピッド
その瞬間、小学生時代を共に過ごした旧友の顔が思い浮かんだ。


1人は、ゲンジぃと同様、真面目で慎重なタイプ。

もう1人は、賢多や早見さんのような、明るいサバサバタイプ。

言われてみたら、勉強の取り組み方とか、お昼ご飯のメニューを決める時とか。それこそ熟考型と即決型で全然違ったっけ。


「助言を受け入れて、実行するかは、彼次第」

「うん」

「整二は、思いきって話してみるという選択肢を提案しただけ。気に病む必要はないよ」


再び肩を叩かれて、胸につっかえていたモヤモヤがスゥーッと消えていった。

ははっ。やっぱすげーな、ヒロミさんは。視野も広いし包容力もあるし。悔しいけど、トップレベルの人気なのも頷ける。


「その子たちのことが大好きなんだねぇ」

「まぁ、初めて仲良くなった人ですから」


あの2人……特に四居さんは、俺のことを受け入れてくれた人だから。

以前階段で遭遇した時みたいに、心から笑ってくれるようになってくれたら──。

そう願いながら、残りの麦茶を飲んだ。
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