スターリーキューピッド
ハッキリと言い切り、彼らの元へ近づく。


「翻弄された側からしたら、ふざけんなよって文句を言いたくもなるよね。けど、友清くんは、不安を煽るようなことは言ってないよ」


思い出して。あの日の朝のことを。


『AIが社会進出するかも』とは言ったけど、「社会を征服するかも」とは言ってない。

『人型ロボットと一緒に仕事をする日が来るかも』とは言ったけど、「仕事を奪うかも」とは言ってない。

『衝撃的なことが起こる』というのも、必ずしもネガティブな出来事を指しているわけじゃない。


質問大会の時だって。

1つ1つ丁寧に答えてて、怖がらせたり、脅したりするようなことは一切話してなかった。


帰り道もそう。

不安を抱いたのは、以前彼の口から自身の性質を言い当てられたから。

だから今回も一理あるんじゃないかって、勝手に結びつけたから。


友清くんは、ただ、自分の考えを述べただけ。

なのに、事実をねじ曲げられて、悪者に仕立て上げられて。

あげく、一方的に──。


「俺も、美月の言う通りだと思う」
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