スターリーキューピッド




「今朝は、本当にありがとう」


昼休み。人気のない階段の踊り場にて。

友清くんは私たちを呼び出すやいなや、直角に頭を下げてきた。


「2人がいなかったら、今頃孤立してたと思う。そして、お騒がせして申し訳ありませんでした」

「いやいやそんな……! クラス委員として当たり前のことをしただけだよっ」

「そうだよ。あの後、大丈夫だった? 何か言われたりとかは」

「大丈夫。休み時間に、謝り合ったから」


顔を上げて、にこやかに答える友清くん。

朝は、見てるこっちも胸が苦しくなるような、暗く沈んだ表情を浮かべていたけれど、今は穏やかで晴れやかな表情を浮かべている。

和解できたんだなと、ホッと胸を撫で下ろした。


「四居さんも、本当にごめんね。揺らいだって言ってたの、あれのことだよな? 凶星の意味がどうだのって……」

「キョーセイ……? 何? 星?」

「そうそう! 友清くんも、星座占いが好きみたいでね。占いの観点から見た予言について、こないだ一緒に帰った時に教えてもらったの!」
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