スターリーキューピッド
笑顔で説明しながら、心の中で語りかける。


大丈夫だよ友清くん。気分が落ち込んだのは本当だけど、私が勝手に不安になっただけだから。

律儀なのはいいことだけど、あなたの正体知ってるの、多分今のところ私しかいないし。

バレたら今朝以上に、いや、学校中が大騒ぎになるから、そのへんで止めてくれると嬉しいなぁ……!


「なるほど。だから1人だけ違ったわけか」

「まぁ、うん。1から説明すると、専門用語とかが出てくるから、知識持ってる人じゃないと理解するの難しいだろうなと思って。ごめんな、言えなくて」

「いいっていいって。惑星にもおみくじみたいに吉と凶があるんだな〜」


着目点を逸らすことに成功し、ふぅ、と安堵の溜め息をつく。

今後、私以外にも正体を明かすのかどうか、今一度話し合わないとな……。


──ピンポンパンポーン。


「“2年2組、友清 整二くん。職員室まで来てください。繰り返します──”」


校内放送を聞きながら、顔を合わせる。


「……事情聴取、だったりして」

「隣のクラスまで聞こえてたらしいもんな」

「放課後、呼び出し食らっちゃったらごめん」

「平気平気。今日は部活休みだから」
< 130 / 136 >

この作品をシェア

pagetop