スターリーキューピッド
気にすんなと言わんばかりに、明吾が彼の背中をバシバシと叩く。

すると、何かを思い出したのか、友清くんが「あ、そうだ」とこちらに振り向いて……。


「明吾が、四居さんに話したいことがあるんだって」

「え?」


話したいこと……?

友清くんはニヤリと口角を上げると、軽やかな足取りで階段を下りていってしまった。


「バカ整二。なんで今ここで言うんだよ……」


横を見てみたら、壁に頭をつけてうなだれている。

イタズラっぽい感じだったから、からかわれてるのかな? と思ったけど、どうやら本当みたい。


「何? 相談事?」

「いや、真面目な話というか……」


壁から離れた明吾が、私の正面に立つ。


「放課後、空いてる?」






「誰もいないな」

「貸切だね。いつものことだけど」
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