スターリーキューピッド
担任から事情聴取を終えた放課後。明吾と2人で家の近くの小さな公園にやってきた。

伸びっぱなしの草をかき分けて中に入り、ベンチに座る。


「俺、ずっと、美月に謝らなきゃいけないことがあって」

「謝る、って……?」

「……小学校、の時の。高学年くらいかな。美月にとっては、あまり思い出したくない過去だろうけど……」


上半身をこちらに向けつつも、強張った表情で話を切り出した。

最初はなんのことかわからず首を傾げていたけれど、出てくる言葉を組み合わせたら、とある光景が浮かび上がってきて。


「美月は、自分が怒鳴ったからああいう結末になったと思ってそうだけど……本当は、俺が──」

「俺があいつらを呼び出したんだ。でしょ?」


被せるように言ってのけたら、案の定、「えっ」と面食らった反応をされた。


「知ってたの……?」

「知ってるも何も、本人から直接聞いたもん。私が来る前、ドスの利いた声でど正論ぶっかまされたって」

「っ、なら……」
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