スターリーキューピッド
「あり、がとう。でも、私でいいの?」

「うん」

「口調きついし、ビビリだよ?」

「そんなのとっくの昔から知ってるよ」

「ど、怒鳴り声だって、上げちゃってるよ?」

「それは俺を助けようとしてのだろ」


何を今さら、と言いたげな目つきで淡々と返す明吾。

しょうがないじゃん。あの一件で自信喪失してしまってるんだから。

学校では委員長コンビでも、髪色は不良と優等生。傍から見たら、不釣り合いだと思われるかもしれない。

けど……。


「私でよければ、お願いします」

「え……それって……」

「私も……明吾のことが、好き、だよ」


伝えてくれた想いに、自分も同じように応えたものの。いざ言葉にしてみたら、変に途切れ途切れになってしまい、視線を落とす。

たったの2文字さえも、まともに言えないなんて……。全世界の告白する人を心から尊敬するよ。

上目遣いで様子をうかがうと、さっき以上に顔が真っ赤に染まっていて……。


「わっ……! ちょっと……!」

「あー、俺今、世界で1番幸せ感じてるかも」
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