スターリーキューピッド
ガバッと大胆に抱きつかれた。ドキドキしながらも自分も背中に手を回す。

……大きくなったなぁ。昔は私よりも小柄で華奢だったのに。今は座ってるから目線の高さは変わらないけど、立ってたらすっぽり包まれるんだろうな。

成長を実感していたら、住宅街に子どものはしゃぐ声が響き渡った。


「帰るか。暑いし」

「そうだね」


身体を離して立ち上がり、公園を出る。


「家族にはいつ話す?」

「2学期入ってからでいいんじゃない? すぐ言うと根掘り葉掘り聞かれそうだし」


そう答えつつも、身体はピタリと密着。

さりげなく手の甲をくっつけたら……。


「でも、友清くんにはなるべく早く報告しないとね」

「だな。背中押してもらったし。明日にする?」

「明日は、まだ心の準備が……」

「冗談だよ」


明吾はイタズラっぽく笑うと、私の手を包み込むようにつないできた。


この数年間、たった1つの情報に振り回された私たち。

これから先も、嘘か本当かわからない情報にたくさん出くわすだろう。

けど、私たちの未来は、不確かな情報1つで決められるほど、安易なものじゃない。

だって未来は──運命は、自分の手でいくらでも切り拓いていけるものなのだから。


END
< 136 / 136 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

聖夜に舞い降りた灼熱のサンタクロース

総文字数/118,320

恋愛(純愛)243ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
今年で出会って30年。 これは、とある仲良し夫婦の若かりし頃の物語。 ◇ 聖なる夜。 独りよがりだった僕の前に、 真夏の太陽のような眩しいサンタが舞い降りた。 執筆期間 2025/10/01〜2025/12/30 完結公開 2025/12/30
咲き誇れ、麗しい華。

総文字数/113,664

恋愛(純愛)263ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
保健室の奥にある、謎にまみれた灰色の扉。 先生によると、保健室と職員室を繋ぐ通路で、 限られた人しか入れないらしい。 そんな話を思い出した数分後。 「あの……大丈夫ですか?」 突然、どこからか聞こえた優しい声。 痛みに耐えながら振り向くと……。 謎の扉から 爽やかな王子様が顔を出していました。 ──୨୧── おしゃべり大好きな子犬顔女子 ※傷心ホヤホヤ 風咲 麗華 かぜさき れいか × 秘密の小部屋の住人 ※現在療養中 侑希 ゆうき ──୨୧── 傷ついた心を治すために始まった 保健室登校。 君と過ごす時間は何よりも楽しくて。 気がつけば、暗かった日常には輝きが戻っていた。 ずっとずっと、この時間が続きますように。 そう願っていたけれど……。 「……ごめん。約束、守れなくなっちゃった」 ❀ 別れ際、目を細めて微笑むあなたは、 最後まで完璧な王子様でした。 2022/7/1 執筆開始 2024/11/04 再執筆開始 2025/04/09 更新開始 2025/06/04 完結
メカニカルな彼らに囲まれています

総文字数/58,911

恋愛(逆ハー)134ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
大掃除を怠ったまま迎えた新年。 初日の出を拝もうと朝イチで起きたら……。 「アハッピーニューイヤー。 アンドグッドモーニング」 「よく眠れた? ここちゃん」 金髪の美少年が私の隣で微笑んでいました。 ・ ・ タイパ&効率重視のイマドキ女子 新井 心 あらい こころ × イタズラ好きなハイスペスマホ ケイ × クールなお下がりエアコン フウリ × 甘えん坊な小型テレビ ショウ ・ ・ 新年早々始まった、 美形機械くんたちとの共同生活。 当然見た目も違えば、個性もバラバラ。 「“今日も1日お疲れ様。こっちにおいで”」 甘々スマイルで悩殺セリフを囁いてくれたり、 「あまり無茶するな」 甲斐甲斐しく看病してくれたり、 「もっと俺を見て」 時にストレートに想いをぶつけてきたりと、 全員私にベタ惚れ状態。 きらびやかな彼らとの生活に 毎日心を躍らせていた。 けれど──。 「まだ若いからって余裕ぶっこいてたけど…… 案外もろいんだな」 ・ ・ 「──おはよう、ここちゃん」 たとえ電化製品だとしても、 この出会いは大切にしたい。 第9回野いちご大賞応募作品 執筆期間 2025/01/17〜2025/03/13 更新開始 2025/02/14 完結 2025/03/14

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop