スターリーキューピッド
苦笑いで教卓を指差す。

10分はちょっと盛りすぎだけど……体感としては間違ってないし。


「盛り上がるのはいいけど、人の席なんだから。真中も。委員長になったんだから、もうちょい周りに気を配って」

「「はーい。すみません」」


朝佳ちゃんがビシッと注意してくれたおかげで、ようやく席が空いた。

彼女に「ありがとう」と小声でお礼を言い、荷物を置いて着席する。


「おはよう、四居さん」

「ん。おはよう」


右隣を見ると、新入りくんが頬杖をついて微笑んでいた。


「早見さんもおはよう」

「おはよう。朝からモテモテだね〜」

「ははっ、ありがたいことにね」


2人が話している間に、教科書とノートを机の中に入れる。

チヤホヤされるのは最初だけ。時間が経てば自然と落ち着く。

そう思って1日1日を乗り切ってきたけれど……日を増すごとに人数が増えている気がする。


「四居さんは渡したことある?」

「へ?」
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