スターリーキューピッド
謙遜しつつも、力になれたことが嬉しくて、にんまりと口角が上がる。


「来月、カフェに行くことになったって話、美月はもう聞いた?」

「うん。今朝聞いた。前にテレビに出てたとこだっけ」

「そうそう。行きたい行きたいってずっとごねててさ。あんまりにも可哀想だったから、お願いしますって一緒に頭下げてあげて……」

「ふはっ。とか言って。明吾も行きたかったんでしょ? 紹介されてたパフェ、食べたいな〜って言ってたじゃん」


肘で小突くと、てへへと舌を出して照れくさそうに笑った。

この光景をクラスメイトが見たら驚くだろうな。学校では最低限の会話でとどめてるからね。

本当は場所関係なくおしゃべりしたいんだけど──。


「あ、いたいた」


階段の踊り場で友清くんと遭遇した。


「次の授業、図書室でやることになったから。全部持ってきたけど、合ってる?」

「合ってる! ありがとう〜」

「はい、四居さんの分も」

「ど、どうも。ありがとう」
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