スターリーキューピッド
明吾と同様に、彼から勉強道具一式を受け取る。


「話弾んでたけど、何かいいことでもあったの?」

「来月一緒に出掛けることになってさ。楽しみだな〜って盛り上がってた」

「へぇ〜。デートか。仲いいんだね」


眉間にシワが寄り、体全体がこわばる。

……どうしてみんな、揃いも揃って同じ思考に至るんだろう。


「いやいや! 家族も一緒だから!」

「え、付き合ってないの?」

「ないから。ただの幼なじみだから」


吐き捨てるように強調し、階段を駆け上がった。






数日後、水曜日の放課後。


「おっ」


図書室の本棚を物色していたら、星座図鑑を見つけた。

今日のラッキーアクションは、いつもとは逆の選択をしてみる。

普段は料理雑誌やレシピ本に目がいくのだが、今回はアドバイスに従い、滅多に読まない図鑑コーナーにやってきた。
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