スターリーキューピッド




昼食を終えた後、明吾と時間差で教室を出て、指定された場所へと向かった。


「来てくれてありがとう。ゆっくりしたいところごめんな」

「いいって。昼休みはいつも暇してるし」

「それで、相談って?」


ドアの前の階段に横並びで座り、話を切り出す。


「こないだ雑貨屋さんで会った、俺の親戚覚えてる? お団子頭の」

「うん。愛香さん、だったっけ」

「愛香さんが、どうかしたの?」

「それがさ……2人のこと気に入っちゃって。一緒に遊べないか聞いてこいって言われたんだよね」


話によると、あの後、私たちのことを話したそうで。『仲良くしてくれてるお礼がしたい!』と懇願されたのだと。

問題児がいる、嫌がらせを受けている、みたいな、学校生活に関する内容じゃなくて良かった。


「『歳が離れすぎてるからダメだ』って言ったんだけど、『あんたも一緒なら問題ないでしょ』って返されてさ」

「そんな離れてんの? いくつ?」

「20歳。3月に留学先から帰ってきて、今は隣町の大学に通ってる。学生同士だけど……一応、さ」
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