アルトと北斗と水族館【アルトレコード】
しまった、隠れるんじゃなかった。あのまま庭に出て歩いて行けばよかっただけなのに。このままふたりの横を通り過ぎるのはなんだか邪魔をするようで居心地が悪い。
「今日は別のところで食べよっか」
「やだ。なかにわでって約束したじゃん!」
アルトの拒否に、私は困ってしまう。
そうこうするうちに、北斗さんがなごやかに会話を打ち切った。
「それじゃ俺はこれで」
北斗さんが歩き出そうとしたときだった。
「あ、あの!」
女性研究員の緊張した声に、北斗さんが振り返る。
「水族館が好きなんですよね。もしよかったら一緒に行きませんか?」
聞こえた言葉に、私は思わず覗いてしまった。
女性研究員は顔を赤くしてうつむいている。北斗さんは困ったように首をかしげ、眼鏡のストラップが揺れた。
「ありがとう。でも仕事が忙しくて休みの予定が立たないんだ。誰かほかの人を誘ってね」
微笑とともに、彼はやわらかな声で断っていた。
女性はしゅんとして立ち去り、北斗さんは南棟へ歩き出す。
なんだか見てはいけないものを見てしまった気分で気まずく思っていたときだった。
「あー、かわいそうに」
後ろから声がして、私の心臓がどきっと止まりかけた。
ばっと振り返ると、そこには秤さんが立っていた。手には売店で買ったらしきお弁当の入った袋がある。
「秤さんだ!」
アルトがうれしそうに顔を輝かせる。
「今日は別のところで食べよっか」
「やだ。なかにわでって約束したじゃん!」
アルトの拒否に、私は困ってしまう。
そうこうするうちに、北斗さんがなごやかに会話を打ち切った。
「それじゃ俺はこれで」
北斗さんが歩き出そうとしたときだった。
「あ、あの!」
女性研究員の緊張した声に、北斗さんが振り返る。
「水族館が好きなんですよね。もしよかったら一緒に行きませんか?」
聞こえた言葉に、私は思わず覗いてしまった。
女性研究員は顔を赤くしてうつむいている。北斗さんは困ったように首をかしげ、眼鏡のストラップが揺れた。
「ありがとう。でも仕事が忙しくて休みの予定が立たないんだ。誰かほかの人を誘ってね」
微笑とともに、彼はやわらかな声で断っていた。
女性はしゅんとして立ち去り、北斗さんは南棟へ歩き出す。
なんだか見てはいけないものを見てしまった気分で気まずく思っていたときだった。
「あー、かわいそうに」
後ろから声がして、私の心臓がどきっと止まりかけた。
ばっと振り返ると、そこには秤さんが立っていた。手には売店で買ったらしきお弁当の入った袋がある。
「秤さんだ!」
アルトがうれしそうに顔を輝かせる。