繋いだ手、結んだ指先で。


「一緒に、行きたいなって」


どうかな? と微笑みながら、こういうときはしっかりと目を見て伝えてくれる北条くんには未だに慣れない。

照れてしまうようなことも、真っ直ぐに伝えるから。


それよりも、お祭りに誘われたことに驚いて、嬉しさがじわっと胸に広がる。

同時に、少しだけ、気になることがあった。


南区で行われるお祭りは、河川敷にずらっと屋台が並び、特設ステージも設けられる規模の大きなお祭りで、3日間あるうちの初日と最終日に花火が打ち上がる。

地元の人はもちろん、他所からも大勢の人が集まってくる。

人の多さが気にかかるというよりは、クラスメイトも訪れるお祭りであることが気になってしまう。


北条くんには話していないけれど、以前公園にいたことがバレていたように、人に見つかってしまう可能性が高い。

北条くんももちろん、それはわかっているとは思う。


「何か気になることがあるなら言っていいんだよ」


見透かしたようなタイミングで言われて、それとなく別のお祭りも8月になればあることを伝えようと口を開く。


「人がすごく多いと思う。学校の人も来るだろうし。8月にあるお祭りは知ってる? 海の方だから少し遠いけど、一度だけ行ったことがあって、楽しかったよ」


規模は小さいけれど、珍しい屋台があってり、打ち上げ花火はない代わりに浜辺一帯に花火を持ち込んでもいいことになっている。

去年家族と訪れたときは同じ学校の人は見かけなかったことを思い出して提案するけれど、北条くんは僅かに顔を曇らせた。


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