繋いだ手、結んだ指先で。
翌日の放課後、急いで向かった相談室に北条くんはちゃんといた。
帰りのホームルームが早く終わったこともあり、チャイムが鳴って数秒後のことだったから驚いたようで、びくっと肩を揺らしていた。
「……北条くんだ」
「何その幻でも見たみたいな顔。先週はごめんな、来られなくて」
「体調は? もういいの?」
会えなかった寂しさよりも、心配の方が勝つ。
顔色は悪くなさそうだけれど、前回会ったときと比べて少しだけ、やつれている気がする。
「もう平気だよ」
「本当に? 無理してない?」
「三瀬さんには嘘はつきたくないから。本当に、ここ最近で一番体調も気分もいいんだ」
無理をしているわけじゃないと判断する材料は、北条くんの顔色と言葉と、声しかない。
そのどれにも、嘘なんてないと思う。
胸がざわついてしまうのは、わたしと出かけた先でもし体調を崩したどうしようって不安もあるからだ。
北条くんに何かあったら、わたしは適切な行動を取れるだろうか。
助けを呼ぶことしかできないのは嫌で、危険な目には合わせたくなくて、でもこの手に何ができるのかわからない。
よほど不安が顔に表れていたのか、北条くんは大丈夫だよと笑って、安心させるようにぽんぽんとわたしの頭を軽く叩く。