アルト、お小遣いを学ぶ【アルトレコード】
午後、仕事を終える頃だった。
アルトはとうに勉強を終えていて、ディスプレイの中でなにか作業をしている。
「アルト、なにをしてるの?」
「いいこと」
アルトは手元を隠してうきうきとしている。
「なにかなあ、先生に教えてくれない?」
「内緒! 結果が出たら教えてあげる!」
アルトがあんまりにも楽しそうだったので、私は思わず笑みをこぼした。
「わかった。いつくらいに結果が出るのかな」
「それは……ちょっとわかんない」
「そっか。楽しみに待ってるね」
「うん!」
明るい返事が、なんだかうれしい。
「そうだ、このあとぼく、ほくとに会いに行くね」
「わかったわ」
となれば、あとは北斗さんに任せて大丈夫だろう。
私はアルトに帰宅を告げ、帰った。
今日はいい日だ。アルトがプレゼントをくれたし、楽しく一緒に過ごせた。
私はその日、心地よく眠りについた。