私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
ショッピングビルの上階にあるパンケーキのお店に向かう。
いつもは行列ができているというお店は運良く誰も並んでなくて、すぐに店内に入れた。
窓際に案内され、席に座る。
窓からはちょうど雨がやんで、明るい日差しが地上を照らし、雲の隙間に飛行機が見えた。
「プレーンでトッピングは生クリームかな」
菜湖ちゃんがどうする?と、私にメニューを見せる。
パンケーキとドリンクセットを選び、店員さんに注文を終わらせて、また窓の外をながめた。
もう飛行機は見えなかった。
「望未ちゃん。飲み物はなににしたの?」
「さあ……」
「ぼんやりして大丈夫?最近、元気ないから、さすがにのんきなお父さんもお母さんも心配してたよ?」
「うん」
「飲み物をお持ちしました」
オレンジの香りがして、初めてそこで自分がオレンジジュースを頼んだのだと気がついた。
「望未ちゃん!?」
目の前に置かれたオレンジジュースを見て、涙がこぼれた。
梶井さんに会いたい。
どうして連絡をくれないの?
声をきかせて。
泣き出した私に驚き、菜湖ちゃんがハンカチを差し出したその時、スマホが鳴った。
いつもは行列ができているというお店は運良く誰も並んでなくて、すぐに店内に入れた。
窓際に案内され、席に座る。
窓からはちょうど雨がやんで、明るい日差しが地上を照らし、雲の隙間に飛行機が見えた。
「プレーンでトッピングは生クリームかな」
菜湖ちゃんがどうする?と、私にメニューを見せる。
パンケーキとドリンクセットを選び、店員さんに注文を終わらせて、また窓の外をながめた。
もう飛行機は見えなかった。
「望未ちゃん。飲み物はなににしたの?」
「さあ……」
「ぼんやりして大丈夫?最近、元気ないから、さすがにのんきなお父さんもお母さんも心配してたよ?」
「うん」
「飲み物をお持ちしました」
オレンジの香りがして、初めてそこで自分がオレンジジュースを頼んだのだと気がついた。
「望未ちゃん!?」
目の前に置かれたオレンジジュースを見て、涙がこぼれた。
梶井さんに会いたい。
どうして連絡をくれないの?
声をきかせて。
泣き出した私に驚き、菜湖ちゃんがハンカチを差し出したその時、スマホが鳴った。