私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
June 第24話 あなただけ
強い力で抱き締められている。
これは夢?
梶井さんの甘い香りと煙草の香りがする。
しかも、こんな部屋の入り口で抱き合っていて、いいのかな。
「ラブラブだね」
「そういうのは部屋の中でお願いします」
お隣の部屋らしき二人の住人の声がした。
そ、そうだよね!?
顔を梶井さんの胸の中に埋められていて、誰なのかわからなかったけど、恥ずかしい。
「見世物じゃない。見るな」
「別に見たくないけど。もしかして、わざわざ見せつけた?」
「もう大人なんだから、公共の場では控えたほうがいいですよ」
冷静なツッコミだった。
そ、そうだよねぇー!!
恥ずかしくて、ますます顔をあげられなくなってしまった。
お隣の部屋のドアがぱたんと閉まる音がして、顔をあげた。
梶井さんは今まで見たことない無邪気な顔で笑っていた。
「悪い。苦しかったか?」
「う、ううん。大丈夫」
一度は私の目の前で閉まった部屋のドアを梶井さんが開けてくれた。
あの時、目の前で閉まったドア。
それが再びまた開くことがあるなんて思いもしなかった。
部屋に入るとインテリア類に変化はなく、以前のままだったけれど、窓が開いていた。
これは夢?
梶井さんの甘い香りと煙草の香りがする。
しかも、こんな部屋の入り口で抱き合っていて、いいのかな。
「ラブラブだね」
「そういうのは部屋の中でお願いします」
お隣の部屋らしき二人の住人の声がした。
そ、そうだよね!?
顔を梶井さんの胸の中に埋められていて、誰なのかわからなかったけど、恥ずかしい。
「見世物じゃない。見るな」
「別に見たくないけど。もしかして、わざわざ見せつけた?」
「もう大人なんだから、公共の場では控えたほうがいいですよ」
冷静なツッコミだった。
そ、そうだよねぇー!!
恥ずかしくて、ますます顔をあげられなくなってしまった。
お隣の部屋のドアがぱたんと閉まる音がして、顔をあげた。
梶井さんは今まで見たことない無邪気な顔で笑っていた。
「悪い。苦しかったか?」
「う、ううん。大丈夫」
一度は私の目の前で閉まった部屋のドアを梶井さんが開けてくれた。
あの時、目の前で閉まったドア。
それが再びまた開くことがあるなんて思いもしなかった。
部屋に入るとインテリア類に変化はなく、以前のままだったけれど、窓が開いていた。