私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
器までひんやり冷たいフローズンヨーグルトはさっぱりとした甘さがあって夏のデザートにはぴったりだった。
確かにベリー類は酸味が強かった。

「そんなことないです……」

「酸っぱいでしょ?望未ちゃんは顔に感情がでるから嘘をつけないわね」

小百里さんが外に営業中の札をかける。
時間より少し早めだけど、夏の暑い日差しを逃れてやってくるお客さんのために用意が済むと店を開ける。
常連さんはそれをわかっているから、早めにきてのんびり飲み物を頼んで、それからゆっくりランチをする方も多い。
今日のランチは温かい枝豆の豆乳スープとラタトゥイユと海老の冷製パスタ、デザートには桃のコンポートがついてくる。
和食の方は豚の角煮と枝豆の味噌汁、五穀米のご飯と焼きナス、デザートはゴマのプリン。
賄いが楽しみで思わずにっこりしてしまうラインナップ。

「望未ちゃん。昨日遅くなって、梶井さんに叱られなかった?電話にでないって」

「ちゃんと遅くなるって前もって伝えておきました」

嫉妬っていうよりは一人で夜道を歩くなとか、遅くなる時はタクシーを使えとか、そういう注意だった。
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