私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
ドイツでのスケジュールで埋まっているのはいつものことだけど、今年のクリスマスが終わった後、長めの休暇が入っていた。
その休暇予定の欄にあったのは私との結婚式と新婚旅行って。
泣きたかったけど、泣けなかった。
せっかく菜湖ちゃんがしてくれたのにメイクが崩れてしまう。
ぎゅっとその紙を握りしめ、飽きることなく眺め続けていた。
「コンサート楽しんで下さいね」
会場についた渡瀬さんは車から降りた私の背中に向かってそんなことを言った。
振り返ると、笑顔を見せていた。
初めて見た渡瀬さんの笑顔。
「深紅のワンピースドレス。大人っぽくて似合ってますよ」
渡瀬さんは車のドアを閉め、去って行った。
深紅のドレスなんて、目立つのでは?と思っていたけど、梶井さんのファン層はそうでもなかった。
私以上の気合が入ったマダムファンが多く、久しぶりの日本でのコンサートにファンの人達は全力でオシャレをしてきていた。
お金持ちマダムが多いのは梶井さんの体質がきっとそんな人を寄せ付けるのかもしれない。
フェロモン振りまきすぎだよ……
「さすが梶井さんのファンは違う……」
そういえば、特別席ってどこなんだろう。
その休暇予定の欄にあったのは私との結婚式と新婚旅行って。
泣きたかったけど、泣けなかった。
せっかく菜湖ちゃんがしてくれたのにメイクが崩れてしまう。
ぎゅっとその紙を握りしめ、飽きることなく眺め続けていた。
「コンサート楽しんで下さいね」
会場についた渡瀬さんは車から降りた私の背中に向かってそんなことを言った。
振り返ると、笑顔を見せていた。
初めて見た渡瀬さんの笑顔。
「深紅のワンピースドレス。大人っぽくて似合ってますよ」
渡瀬さんは車のドアを閉め、去って行った。
深紅のドレスなんて、目立つのでは?と思っていたけど、梶井さんのファン層はそうでもなかった。
私以上の気合が入ったマダムファンが多く、久しぶりの日本でのコンサートにファンの人達は全力でオシャレをしてきていた。
お金持ちマダムが多いのは梶井さんの体質がきっとそんな人を寄せ付けるのかもしれない。
フェロモン振りまきすぎだよ……
「さすが梶井さんのファンは違う……」
そういえば、特別席ってどこなんだろう。