私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】

July 第33話 ぬくもりを知って

霊園からの帰りに私の家に寄ることになっていた。
夕方になるよとは言ってあったけど、昨日から掃除をしていたみたいだし、きっとバッチリなはず。
両親は梶井さんを厳かに粛々と迎えてくれる―――

「いらっしゃーい!」

「本物よ、本物!」

え、なにこのテンション。
両親の後ろに菜湖(なこ)ちゃんが立っていた。
なぜかクリスマスに使う三角帽をして、疲れた顔をしていた。
そして、大掃除した家の中はお誕生日会のように飾りつけがしてある。
うわぁ、懐かしい。
子供の頃にしたお誕生日会を思い出すなぁって違う!

「ちょ、ちょっとー!どうしてこんなパーティーみたいになってるの!?」

「ごめん、望未(みみ)ちゃん。私の力では防げなかったよ」

菜湖ちゃんは悲しい顔をしていた。
うん、そうなるよね。
わかる、わかるよ。

「望未が結婚するっていうから、ここは派手にやろうと思ってね!」

うきうきとお父さんが言った。

「普通はうちの大事な娘をってならないの!?」

「バカねー!嫁にやれる時にやらなきゃ!しかも、イケメン!」

「梶井さんのCD、持ってますよ」
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