私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
俺のメールアドレスの方に仕事の連絡がきていたからな。
スマホを受けとり、履歴を確認する。
その確認している俺の視界の端に顔を赤くして、黙り込むウサギちゃんがいた。
俺のことを好きになる女は多い。
それはわかっている。
けど、お前はダメだ。
ウサギちゃんは俺を必要としてないだろ?なあ?
「なんて顔して―――」
からかっておしまいにしてやろう。
そう思って声をかけた瞬間、店のドアが開いた。
「望未先生っ!」
振り返ると詰め襟の学生服を着た男子高校生が立っていた。
純粋な目にスポーツマンらしい爽やかな空気。
こいつに似合いそうなガキだな。
「あれ?関家君?レッスンの予約は今日の午後からだったよね?学校は?」
「春休みなんです。今から、生徒会の仕事で学校に行くところだったんで……たっ、たまたま、通りかかったら、ピアノの音がして、それで」
顔を赤くして、言い訳する高校生男子ね。
可愛いもんだな。
俺にもあんな時が―――なかったな。
「先生の彼氏ですか?」
「ち、違うっ!違うよ。昨日、スマホをお店で落としたお客さんで、取りに来てくれたの」
「そうですか」
スマホを受けとり、履歴を確認する。
その確認している俺の視界の端に顔を赤くして、黙り込むウサギちゃんがいた。
俺のことを好きになる女は多い。
それはわかっている。
けど、お前はダメだ。
ウサギちゃんは俺を必要としてないだろ?なあ?
「なんて顔して―――」
からかっておしまいにしてやろう。
そう思って声をかけた瞬間、店のドアが開いた。
「望未先生っ!」
振り返ると詰め襟の学生服を着た男子高校生が立っていた。
純粋な目にスポーツマンらしい爽やかな空気。
こいつに似合いそうなガキだな。
「あれ?関家君?レッスンの予約は今日の午後からだったよね?学校は?」
「春休みなんです。今から、生徒会の仕事で学校に行くところだったんで……たっ、たまたま、通りかかったら、ピアノの音がして、それで」
顔を赤くして、言い訳する高校生男子ね。
可愛いもんだな。
俺にもあんな時が―――なかったな。
「先生の彼氏ですか?」
「ち、違うっ!違うよ。昨日、スマホをお店で落としたお客さんで、取りに来てくれたの」
「そうですか」