私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
窓のそばには桜の花の木があり、風で花びらが部屋の中に舞い込んだ。
花は満開。
たくさんの花を咲かせていて、手を伸ばせば桜の花に触れられそうなくらい花をつけている。
ドイツでも桜の花は咲くのかな―――って、なにを考えているんだろう。
今は仕事中!
煩悩を打ち消すため、頭を横に振った。
「望未先生、ここの桜は綺麗ですね」
「うん。花の量が多いよね」
薄いピンクの花は小さな手毬のようにいくつも枝についていた。
たった一本の桜の木で十分お花見ができるくらいの花の量。
「音楽は植物に影響を与えるって言いますから、そのせいじゃないですか」
「関家君は物知りだね」
「えっ、いや、そんなことないです」
「そういえば、その制服って有名進学校の制服だけど、受験勉強は大丈夫なの?」
関家君は今年の四月で三年生になったはずだ。
「いや、俺はそんなに上位じゃないんで。進学もそこまで必死じゃないっていうか……」
「そうなの?でも入学するだけすごいよ」
「望未先生の方がすごいですよ。俺、先生のピアノを初めて聴いた時……その……曲と先生の雰囲気がすごくあっていて……」
花は満開。
たくさんの花を咲かせていて、手を伸ばせば桜の花に触れられそうなくらい花をつけている。
ドイツでも桜の花は咲くのかな―――って、なにを考えているんだろう。
今は仕事中!
煩悩を打ち消すため、頭を横に振った。
「望未先生、ここの桜は綺麗ですね」
「うん。花の量が多いよね」
薄いピンクの花は小さな手毬のようにいくつも枝についていた。
たった一本の桜の木で十分お花見ができるくらいの花の量。
「音楽は植物に影響を与えるって言いますから、そのせいじゃないですか」
「関家君は物知りだね」
「えっ、いや、そんなことないです」
「そういえば、その制服って有名進学校の制服だけど、受験勉強は大丈夫なの?」
関家君は今年の四月で三年生になったはずだ。
「いや、俺はそんなに上位じゃないんで。進学もそこまで必死じゃないっていうか……」
「そうなの?でも入学するだけすごいよ」
「望未先生の方がすごいですよ。俺、先生のピアノを初めて聴いた時……その……曲と先生の雰囲気がすごくあっていて……」