私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
クラシック界の王子と呼ばれる三人と天才ピアニストの渋木千愛さん。
四人は私と同じ菱水音大附属高校出身で先輩だけど、私とはレベルが違う。
高校入学前からコンクールの常連で才能は際立っていた。
すごすぎて嫉妬できないレベル。
「知らなくてもいいのよ。ここで演奏するのは遊びだと思っているから。ふらりとやってきて、ご飯食べていくんだもの。少しは恩を返してもらわないとね」
困った顔をしていても小百里さんは春の妖精みたいにふんわりとしていて可愛らしい。
すごい人達も小百里さんにしたら、手のかかる弟達でしかないようだった。
「小百里さん、いるー?ちょっと早いけど来たよー。はい!これ、お土産!」
明るい声と同時に現れたのはバイオリニストの陣川知久さんだった。
「小百里さん、赤い薔薇が好きだよね?」
「薔薇は好きだけど、なんの冗談かしら」
陣川さんはお土産らしい赤い薔薇の花束を手にしていた。
たぶん、笑いをとるためにそんな大きな花束をわざともってきたのだろうけど、小百里さんは呆れていた。
「しっかり者の弟ですら手を焼いているのよ……」
四人は私と同じ菱水音大附属高校出身で先輩だけど、私とはレベルが違う。
高校入学前からコンクールの常連で才能は際立っていた。
すごすぎて嫉妬できないレベル。
「知らなくてもいいのよ。ここで演奏するのは遊びだと思っているから。ふらりとやってきて、ご飯食べていくんだもの。少しは恩を返してもらわないとね」
困った顔をしていても小百里さんは春の妖精みたいにふんわりとしていて可愛らしい。
すごい人達も小百里さんにしたら、手のかかる弟達でしかないようだった。
「小百里さん、いるー?ちょっと早いけど来たよー。はい!これ、お土産!」
明るい声と同時に現れたのはバイオリニストの陣川知久さんだった。
「小百里さん、赤い薔薇が好きだよね?」
「薔薇は好きだけど、なんの冗談かしら」
陣川さんはお土産らしい赤い薔薇の花束を手にしていた。
たぶん、笑いをとるためにそんな大きな花束をわざともってきたのだろうけど、小百里さんは呆れていた。
「しっかり者の弟ですら手を焼いているのよ……」