私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
いつもの淡々とした口調だったけど、私を窺うように一瞬だけ視線を向けたのがわかった。
「あの、梶井さんは奏花さんと知り合いなんですか?」
傷つかずにいるなら、聞かないほうがよかったのに―――でも、今、踏み込まなくてはいけないような気がして聞いてしまった。
「ああ。俺にとって特別な存在だからな」
ズキッと胸が痛んだ。
「特別ってそれは恋愛感情込みですか?」
「少しは遠慮してものを言えよ」
「梶井さんのことが知りたいだけです」
自分の胸の痛みを隠して言った。
梶井さんはため息をついた。
聞き分けのない子供に困る大人みたいな態度。
でも、ここで私は引き下がるわけにいかなかった。
じゃないと、梶井さんはずっと誤魔化して教えてくれないような気がしていた。
相手は大人の男で上手にかわして逃げられてしまう。
だから、知るなら今しかない。
「俺が母親を亡くしてチェロをやめてしまおうと思った時、奏花ちゃんから俺のチェロをかっこいいって褒められたんだ。それで続けることにした」
それって―――インタビューで何度も言っているチェリストになった理由のひとつ。
「あの、梶井さんは奏花さんと知り合いなんですか?」
傷つかずにいるなら、聞かないほうがよかったのに―――でも、今、踏み込まなくてはいけないような気がして聞いてしまった。
「ああ。俺にとって特別な存在だからな」
ズキッと胸が痛んだ。
「特別ってそれは恋愛感情込みですか?」
「少しは遠慮してものを言えよ」
「梶井さんのことが知りたいだけです」
自分の胸の痛みを隠して言った。
梶井さんはため息をついた。
聞き分けのない子供に困る大人みたいな態度。
でも、ここで私は引き下がるわけにいかなかった。
じゃないと、梶井さんはずっと誤魔化して教えてくれないような気がしていた。
相手は大人の男で上手にかわして逃げられてしまう。
だから、知るなら今しかない。
「俺が母親を亡くしてチェロをやめてしまおうと思った時、奏花ちゃんから俺のチェロをかっこいいって褒められたんだ。それで続けることにした」
それって―――インタビューで何度も言っているチェリストになった理由のひとつ。