私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
「はい……」
私も小百里さんみたいだったら、梶井さんと違う関係になれていたかもしれない。
そう思うと、また泣けてきて小百里さんを困らせてしまった。
カフェ『音の葉』の入口とは別にビルの横から入る入り口にビルの上階へと行けるエレベーターがある。
ガラス張りのおしゃれなビルの窓からは画家の絵や美容室が見え、さらに上の階はオフィスが入っている。
一番上の階は居住スペースで賃貸マンションになっていた。
私は初めて入る上階部分。
「どうぞ、入って」
優しいラベンダーの香りがする。
白で統一された壁やタイル、そして雑貨も白にこだわっているようだった。
ドライフラワーが水差しや天井、壁にまで飾られ、この間、陣川さんにもらった赤い薔薇の花もドライフラワーにされていた。
きっと小百里さんほどの美人は花束をよくもらうんだろうな。
「素敵な部屋ですね。雑貨もシンプルだけど、形がオシャレで」
「アンティークものなのよ」
そう言いながら、小百里さんは白のカーテンを開けて、部屋に明るい日差しを入れた。
カーテンの向こうはベランダでそこには階段があった。
その階段から屋上に出れる。
私も小百里さんみたいだったら、梶井さんと違う関係になれていたかもしれない。
そう思うと、また泣けてきて小百里さんを困らせてしまった。
カフェ『音の葉』の入口とは別にビルの横から入る入り口にビルの上階へと行けるエレベーターがある。
ガラス張りのおしゃれなビルの窓からは画家の絵や美容室が見え、さらに上の階はオフィスが入っている。
一番上の階は居住スペースで賃貸マンションになっていた。
私は初めて入る上階部分。
「どうぞ、入って」
優しいラベンダーの香りがする。
白で統一された壁やタイル、そして雑貨も白にこだわっているようだった。
ドライフラワーが水差しや天井、壁にまで飾られ、この間、陣川さんにもらった赤い薔薇の花もドライフラワーにされていた。
きっと小百里さんほどの美人は花束をよくもらうんだろうな。
「素敵な部屋ですね。雑貨もシンプルだけど、形がオシャレで」
「アンティークものなのよ」
そう言いながら、小百里さんは白のカーテンを開けて、部屋に明るい日差しを入れた。
カーテンの向こうはベランダでそこには階段があった。
その階段から屋上に出れる。