私のことが必要ないなんて言わせません!【菱水シリーズ③】
「小百里さん。ありがとうございます」
着替えて浴室から出て、お礼を言った。
落ち着いた私を見て、小百里さんはにっこりと微笑んだ。
「いいのよ。ちゃんとあたたまった?今、ココアをいれてあげるわね」
小百里さんがふわりと白い湯気があがる牛乳にココアをいれて溶かす。
「私、小百里さんみたいになりたかったです……」
小百里さんが驚いた顔をしていた。
「私が小百里さんみたいだったら、梶井さんのこと受け止めてあげられたのかもしれないのに」
「私は無理よ」
小百里さんは笑った。
「梶井さんは一人でいることを選んでいる人なのよ。だから、誰であっても同じよ」
「奏花さんでもですか?」
チェリストになることを決意させた人―――私はそれが誰なのか気づいてしまった。
そして、小百里さんも知っているような気がして、その名前を口にしていた。
「そうねぇ。人と人の関係に絶対はないと思うの。特別な存在だからって、絶対にうまくいくとは限らないのよ」
そう言った小百里さんの目は私をまっすぐ見つめていた。
「望未ちゃんは私のようになっちゃだめよ」
「え?」
着替えて浴室から出て、お礼を言った。
落ち着いた私を見て、小百里さんはにっこりと微笑んだ。
「いいのよ。ちゃんとあたたまった?今、ココアをいれてあげるわね」
小百里さんがふわりと白い湯気があがる牛乳にココアをいれて溶かす。
「私、小百里さんみたいになりたかったです……」
小百里さんが驚いた顔をしていた。
「私が小百里さんみたいだったら、梶井さんのこと受け止めてあげられたのかもしれないのに」
「私は無理よ」
小百里さんは笑った。
「梶井さんは一人でいることを選んでいる人なのよ。だから、誰であっても同じよ」
「奏花さんでもですか?」
チェリストになることを決意させた人―――私はそれが誰なのか気づいてしまった。
そして、小百里さんも知っているような気がして、その名前を口にしていた。
「そうねぇ。人と人の関係に絶対はないと思うの。特別な存在だからって、絶対にうまくいくとは限らないのよ」
そう言った小百里さんの目は私をまっすぐ見つめていた。
「望未ちゃんは私のようになっちゃだめよ」
「え?」